発達障害と診断されたけれども

生きるってつらいよねっていうアラサー会社員です。くだらないこともたくさん書きます。

涙の価値は

朝、ゆっくりと目覚め、いつもよりのんびりと洗顔をする。

普段通りキビキビと身支度を整える余裕は、とうになかった。

時間の流れがやけに遅く感じる。

 

外は、春の匂いがする。

それに混じって、まるで僕の心模様を表すかのように温かい雨が頬を濡らす。

 

自転車のペダルを漕ぐ脚がいつもよりも重い。

僕は、気を抜けば涙が溢れ出てしまう寸前だった。

振り続ける雨のように。

 

 

 

僕は人前で絶対に涙を流さない主義だ。

 

じいちゃんの葬式の時も、無理矢理明るく振る舞い、絶対に泣かなかった。

でも、家に帰って、お風呂に浸かってるときに涙が溢れて止まらなかった。

体の水分が空っぽになるまで号泣し続けた。

 

 

僕が人前で泣かない理由は、一度感情が爆発すると自分で制御できなくなるからだ。

そんな姿を見られるのは少し恥ずかしい。

 

だからどんなに悲しいことがあってもグッと涙を堪える。

 

 

側から見たら薄情な奴と思われるかもしれない。

だが、それでいい。

 

見せないからこそ、涙には価値があると僕は思う。

 

だから僕は最終日の今日も泣かなかった。

 

 

涙でお別れなんてイヤじゃん

笑ってお別れしたいじゃん

 

 

そして、やっぱり今回も家に帰って泣いた。

 

 

ASDは感情のコントロールと気持ちの切り替えがとても苦手だ。

今までの平静を取り戻すのには、もう少し時間がかかるかもしれない。

 

 

 

親愛なる後輩に捧げる。

 

 

どうか、あなたの旅路に、溢れんばかりの祝福を。