心のキャンバス。
描いていた、晴れ渡り雲ひとつない風景に、暗雲が立ち込め始めやがてスコールを招く。
鮮やかな色が埋め尽くしていたパレット。
各々の色が好き勝手に混ざり、濁り始め、黒橡色に変色する。
鮮やかであればある程、キャンバスを黒く染めるには十分すぎる悲しい色になる。
楽しさと悲しさは表裏一体で、楽しさの面積が広がれば広がるほどに、気が付いたら同じだけ悲しさの面積が広がっている。
オセロのようにいつかは楽しさがひっくり返る時がくる。
まさに今、僕の盤面はあと一手で黒一色になる局面まで追い込まれた。
打つ手がないこの局面。
もはやソラナックス(安定剤)では染め返せない。
タバコがもうすぐ切れると分かっているのに、買いに行けない喫煙者。
もうすぐそこまで迫った「時間」が僕を締め付ける。
僕の心の憂鬱はどこまで広がるのか。