発達障害と診断されたけれども

生きるってつらいよねっていうアラサー会社員です。くだらないこともたくさん書きます。

夢の世界に囚われて

発達障害を抱える人は睡眠障害を同時に抱えている場合が多いと聞く。

僕の場合は過眠症と悪夢障害を抱えている。

 

 

平日は会社に行かなければならない責任感と使命感から、ぐずりはすれど遅刻せずに起きる。

ただ、土日になるとそれが全く出来なくなる。

 

妻は土日の朝から夕方まで働きに出ている。

朝が早いため、僕も妻も基本的に金曜日と土曜日は23時には就寝する。

そして、僕は朝10時まで泥のように眠る。

約11時間睡眠。

十分すぎる睡眠時間だが、起きても身体が鉛のように重くて眠気が凄まじい。

 

妻から与えられた、トイレ掃除などの家事の指示を一通りこなし終わった後、昼食も食べずにこたつで昼寝をする。

昼の12時くらいから夕方17時くらいまで眠り続ける。

ひどい時は、指示を何もこなせずに寝てしまうこともある。

 

 

とすると、つまり僕は休日1日16時間近く寝ていることなる。

勉強をしなければいけないという焦りが更なる焦りを生み、睡眠という逃避行動に走ってしまうのか。

あるいは、平日にピンと張っている緊張の線が切れて、疲れがどっと押し寄せて眠くなってしまうのか。

 

とにかく僕は毎週土日を寝ることで浪費し、後悔している。

来週こそは、来週こそ有意義な休日にしようと思いながらも結局同じ土日を過ごしてしまう。

 

 

 

更に酷いと思うのは、特に昼寝中の夢から覚めることができない。

そもそも大人になると夢を見ること自体無くなっていくと聞いたが、僕は睡眠ごとに必ず夢を見る。

 

 

さっきの昼寝中の話だ。

 

そろそろ犬の散歩に行かなくてはと思い立ち、準備を始める。

犬を抱えて近くの公園まで向かう。

途中、犬を散歩している人とジャンケンの話になった。

僕が一回チョキを出せばいいんです、そのあとにグーを出してください。

公園について犬を地面に下した瞬間、ハッとこたつで目を覚ます。

 

散歩に行く準備も、公園に向かう道中も全て夢の中での行動だった。

あまりにもそれは現実味を帯びていて、夢と現実の区別がつかなくなっている。

 

本当に散歩に行かなくてはと思い、身体を動かそうとしても身体が言うことを聞かない。

意識だけは時計を見つめ、はっきりしつつあるのに身体が動いてくれない。

そうしている間にいつの間にか次の夢が始まる。

 

これをずっと繰り返す。

 

時には、叫び声すら上げるときがある。

今、自分が見ているのは夢だと自覚し、覚醒するために大きな叫び声をあげる。

でも、その叫び声は夢の中のものであり、現実のものではない。

現に、僕が必死に叫んでいるのに、横で寝ている犬たちはびくともしない。

必死に捻り出した叫び声も虚しく、再び悪夢の国へ引きずり込まれていく。

 

何が夢で何が現実か分からなくなるのがとても苦しい。

 

 

 

 

僕は大学生の頃、「幽体離脱」が出来た。

幽体離脱と言っても、空を自由に飛び回るだとかそんな素敵なことは出来ない。

もっと生々しくて恐ろしくて、苦しい。

 

睡眠中の自分の身体から、まるで脱皮をするかのように意識だけがズルっとベッドの下に滑り落ちる。

感覚が敏感になっていて、聴覚や視覚が鋭くなっている気がする。

ベッドに横たわる自分を見て、戻らなきゃと思うけれど、少し動くだけで痛みでも快感でもない感覚が襲ってきて動くことが出来ない。

部屋の外から叫び声が聞こえてきて恐ろしくなる。

現実の世界では感じたこともない異常な程の恐怖心が襲ってきて、「死」が自分のすぐ隣に座っているような、そんな恐ろしさが駆け巡る。

 

幽体離脱のきっかけは分からない。

でも、ある夜、幽体離脱をしたあと自分の寝ている身体の上に人が乗っている姿を見た。

誰が座ってやがるのか、何とかして顔を見ようとすると、顔にモザイクがかけられた髪の長い女が座っていた。

僕は絶叫して家族に助けを求めたが、叫び声は夢の中に溶けて消え、届かない。

それ以来、僕は幽体離脱が出来なくなった。

 

僕の身体を覗き込むように見ていた「それ」を10年経った今でも覚えている。

 

 

 

 

僕が毎回夢を見るのは、日々の疲れのせいなのだろうか。

それとも、発達障害故の夢なのだろうか。

 

過眠症を妻は甘えだと言う。

確かにそうかもしれないが、僕だって起きていられるのであれば起きていたい。

でも、抗えないほどの睡魔が常に僕の背後に立っていて、隙を見せた瞬間に夢の世界へ放り込まれる。

 

 

確かに、睡魔に隙を見せてしまうのは僕の甘えなのかもしれない。

だが、コントロールが出来ない。

毎週末がとてもとても苦しい。